INTERVIEW

「トモダチコレクティブ」特別対談 <ユナイト×Develop One's Faculties>
対談メンバー:LiN、detto



■LiNさんは「地元で先にバンドをやっていたお兄さん」という存在でした。(detto)


――Develop One’s Facultiesとユナイトは初の共演になるそうですが、dettoさんとLiNさんはどういったお友達関係なのでしょうか?

LiN:どうやって説明したらいいんだろうね(笑)。

detto:実は地元が一緒なんです。ふたりとも町田出身で、なんなら通ってた学校も一緒なんです。学年は重なってないんですけど、共通の友人も多くて、「地元で先にバンドをやっていたお兄さん」という存在でした。

――当時から交流は?

detto:結構ありましたよね。昔からLiNさんはよく人に相談したがりなタイプで。LiNさんは当時は女性ボーカルのバンドで、ヴィジュアル系ではなくてロック畑の人だったけど、外見は当時からこんな感じだったんです。だから、「なんかヴィジュアル系みたいな人がいる」って思ってました。当時のLiNさんはベーシストだったので、僕もベースということもあって「めっちゃうまいな」と憧れていたんです。それでどうにか交流を持とうとしてアプローチするんだけど、当時俺がまだ高校生ということもあって、LiNさんは最初は「あんまり捕まらない人」っていうイメージでしたね。

LiN:そうだっけ?

detto:あと、当時はいつもベンチコート着てた。Kappaの(笑)。これは別に書かなくてもいいですよ。

LiN:いや、書いときましょう!

――地元の仲良しみたいな。

detto:そうですね、バンドやってる人は通じ合ってる感じでしたね。

LiN:私たちは地元愛が強いんです。

detto:レペゼン町田です。

――ではずっと地元で仲の良い先輩後輩という関係だったんですね。

LiN:俺が地元にいたときはたまに遊んでたんですけど、dettoが高校を卒業してヴィジュアル系バンドを始めてからはライヴ観に行ったり、彼のバンドのフライヤー作ったりしてたんです。俺自身はヴィジュアル系をやってないけど、ヴィジュアル系はもともと好きだし気になっていて。そうやって手伝うことで、detto氏や同じ地元のKraのタイゾに俺の夢も乗せていたというか。

detto:そうなんだ?

LiN:羨ましい半分みたいな。detto氏はずっとヴィジュアル系だったよね。

detto:ちょこちょこ他のバンドもやってたけど、結局19歳くらいでヴィジュアル系一本に傾倒していって現在に至るという感じです。そうそう、LiNさんがユナイトやる前に色んな人に相談してたじゃん?

LiN:してたっけ(笑)。

detto:してた(笑)。LiNさんは相談したがりなタイプだから。俺にも相談してきたし。もうその時から未緒さんと交流があって、そこで未緒さんは当時からLiNさんのことを評価してたんです。俺はLiNさんが過去にギターをやっていたことは知ってたんですよ。

LiN:最初の最初はギターだったんですよね。Xのコピーバンドとかしてたんで。

detto:だから、未緒さんが次にやるバンドは、ベースはハクさんがすでに決まっていたので、「もう一回ギター練習して未緒さんとやってみたら?」とLiNさんに言った記憶があるんです。でも彼は覚えてないんです……。

LiN:うそ?

detto:俺も面と向かって言ったわけじゃなくて、たしか電話かスカイプだったから、印象薄いのかもしれない(笑)。その記憶違いが俺としては切ないです。俺も一応ユナイト結成に一役買ってるぜ?的な(笑)。


■DOFは自分たちの世界観を突き詰めてできた音楽なんだろうな(LiN)

detto:もちろんLiNさんが今ヴィジュアル系をやってくれて嬉しいんです。でもユナイトって僕が当時やっていたバンドに比べて、全然上にいたバンドだったので、プライベートでは仲良くしてるんですけど、「上のバンドの人だから」ってどういう交流をしていいのか探り探りだった時期があったんですよ。だからDOFで初めて対バンできる機会を得て、感慨深いです。

LiN:このあいだO-EASTのイベントでDOFのライヴを観て感動したんです。昔からずっと一緒に頑張ってきたヤツのステージを観ること自体グッとくるんですけど、DOFの音楽性って、なんていったら良いんですかね。曲調もサウンドもすごく好みで、俺がユナイトという道を選んだときに諦めたことをやっているというか。

――「諦めた」とは?

LiN:ユナイトではお客さんのことを考えた曲作りというか、「こんなリズムならライヴでこうノるだろうな」みたいな……。

――お客さんの盛り上がりを想定した曲作りということでしょうか。

LiN:まあそんな感じです。自分が好き勝手に作りましたって曲はあまり無くて。それが良いか悪いかは別として、DOFはそういうことを一切考えずに自分たちの世界観を突き詰めてできた音楽がこれなんだろうなと感じたんです。メンバー全員が「これが俺たちの音楽だステージだ」という自信に満ち溢れていて、ライヴのパフォーマンスからもそれがすごく伝わってきて。
その日にyuyaさんが「今日O-EASTのステージに立つのが初めてなんです」って言ってて、「初めてでこれかよ」っていう。だからもっと大きいステージでも超かっこいいんだろうなって思いました。

detto:そうなんだ(笑)。LiNさんは昔からいつも褒めてくれたんですけど、「本当にそう思ってるのかな?」みたいな……。

LiN:思ってるよ!

detto:僕はユナイトの始動ライヴを観てるんですけど、それっきりユナイトを観ていないんです。多分次に観るのがイベント当日のライヴになるんです。今6周年ですよね?あれから6年経って、LiNさんがどうなっているかも気になります。

――始動ライヴの感想は?

detto:緊張してるなって思いました。楽器がベースからギターになったというのも、初めてのヴィジュアル系というのもあって探り探りでしたが、昔から前を向いて楽器を弾く人だったのでそこが変わってなかったんです。楽器やジャンルが変わっても、演奏してる人は変わってないのは感じました。さっきウチのバンドの音楽性について触れてくれましたけど、確かにそんなにお客さんがこうくるだろうなという作り方はしていなくて。色んな曲があるんです。ジャンルでいえば、ロックな曲もあるし、ボサノバ風もあるみたいな。結局そのバンドがやったらそうなる、みたいなことをやれていて。ユナイトにもそういう印象があって、ユナイトがやればどんな曲もユナイトになるじゃないですか。その上で6年ぶりくらいに観てどう思うかが楽しみです。

LiN:緊張しますね。

detto:しないでしょ(笑)。

■女なんじゃないかっていうくらい相談するよね、俺。(LiN)

detto:会ってない時も、俺たまに電話をしてたんですよ。近況だったり、こっちの相談だったりで。それでもLiNさんは昔と一緒でなかなか捕まらないんですよ。それである時ようやく捕まって、DOFやってるっていう報告をしたんです。

LiN:その電話が「俺が今やってるバンドが超かっこいいから観に来てよ」っていう内容で(笑)。もちろん音楽やってる人の大半は自分の音楽が最高って思ってやってるじゃないですか。でも、特に日本人は謙遜というか、「曲かっこいいですね」とか言われても「いや〜全然」ってなるじゃないですか。そんな中で「かっこいいから観に来て」という言葉が俺の心に響いたんです。そういう人好きなんですよ。あ、馬鹿にしてるわけじゃなくて。

detto:わかってる(笑)。

LiN:自分でもなるべく謙遜せずに言おうとは思ってるんだけど、90パーくらいの勢いでしか言えないなと。detto氏は120%だったんですよ。DOFは自分たちの音楽を貫いてるじゃないですか。それで、支持する人もたくさんいるじゃない。

detto:ありがたいことに、そうですね。

LiN:そういうファンの人って離れにくいんですよ。「ルックスが好き」みたいな人よりは。だからかっこいいなと思います。ユナイト入りたてでヴィジュアル系1年生のときにかなり卑怯な手を使ってファンの方の気を惹くようなことをしてたんですよ。

――たとえば?

LiN:他の人がしないような変な顔をしたり。髪型とかもとにかく変わったことをしようとしていました。

――音楽じゃないところで、ファンの注目を集めるようなきっかけを作ろうとしたと。

LiN:だからヴィジュアル系っていうくらいだし、絵的な何かで、そこを武器にしてきたんですけど。最近ですよ、音楽でも勝負しにきたのは。

detto:(笑)。


LiN:ギターのことも未だによくわかってないけど。

detto:プレイヤーとしての自覚が変わってきたと。

LiN:常に迷いながら生きてるんですけど、周りの大人も「ちゃんと演奏しろ」という人もいれば、「変な格好してるのに、なんで真面目にギター弾いてるんだ」みたいなことを言う人がいて。でも最終的に決めるのは自分じゃないですか。だから毎回ライヴごとに迷ってます(笑)。

detto:ヴィジュアル系って音楽や見た目、キャラクターを含めたトータルじゃないですか。昔からLiNさんは着眼点がシャープで「そこに気づくんだ?」って人だったんです。ツイッターとかみてても「良いな」って思う発言が多くて。だから悩んでる印象があります。それで相談するんですよね(笑)。

LiN:女なんじゃないかっていうくらい相談するよね、俺。相談するくせに、答えは決まってるんだけど。

detto:それも女子だよね。女きょうだいだったけ?

LiN:年の離れてる姉がいて、もう男気なんて無いです。

――最後にツアーに対する意気込みをお願いします。

detto:俺、「意気込み」って苦手なんですよ。いつも言ってるんですけど、対バン25分でも、ワンマンでも気持ちは変わらずにやってるんです。この福岡公演も、ただ俺らしく生きているだけだと思うんで、がんばります(笑)。

LiN:意気込みかぁ、俺は個人的に色んな人と交流するのがメチャクチャ好きで、バンドマンに限らず、そこら辺歩いてるおっさんとかでも交流して相手の考えを吸収するのが好きなんです。だから今回はまた、皆から吸い取れるかなと楽しみにしています。